2011年7月31日日曜日

日経ビジネス2011.8.1 バーニーのCSRのインタビュー記事

興味深いインタビューです。ぜひ、ご参照ください。
もはや、株主価値の最大化だけを追求するのは、十分でないと多くの経営者が認識するようになってきた。利益の追求とCSRを両立する必要がある。CSRの費用は決して多くはないが、そのわずかな投資にレバレッジをきかせて、多くの利益に結びつけることができれば、株主も納得するであろう。そのカギは、CSR活動を実施することで、従業員の創造性を発揮させ、イノベーションを起こせるようになる組織文化を創り出すことにある。

このコメントを別の角度から、興味深く思われる方もおられると思います。今、ポーターがCSRからCSVなど、この分野の主導敵オピニオンになりつつありますが、見方によれば、80年代のポーターのポジショニング理論を批判したのが、このバーニーのリソースベーストビューであり、その理論を一般化したのが、その後、BOPを初期に主導したプレハラッドのコアコンピーテンス論であることは、よく知られていることです。

そして、戦略論からみれば、変節とも思えるほどのポーターのCSRへの入れ込みは、共著者のクラマーのアイディアとはいえ、やや、一貫性のなさを感じたほどです。したがってバーニーがCSRについて何をいうかは、非常に興味のあるところです。彼が、CSRが従業員の意欲増進を媒介にして企業価値の増大とCSRの両立を議論するというのは、まさしく、ポーターの理論の変節に対して、自分のリソースベーストビューの理論的一貫性をCSRにおいても示したことになるわけです。いわば、ポーターに対して一本取ったとも見えます。
そんな興味しんしん、のインタビューです。

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