2012年11月1日木曜日

研究会案内、締め切りました。

日時:11月12日(月曜)17:00-19:00
場所:政策研究大学院大学(六本木) 4階 研究会室4B
http://www.grips.ac.jp/jp/about/access/

内容:
1.BOPにおけるICTの価値、M-PESA(ケニア)の視察報告  
 松島

2、新興諸国における通信状況                    
 石渡さん ガートナージャパン、主席アナリスト、コミュニケーションズ、テクノロジー&サービスプロバイダーリサーチ

3.西アフリカ視察帰国直後報告 (ナイジェリア・ラゴス、ガーナ・アクラ)
 菅原秀幸さん(北海学園)


終了後、懇親会を予定。

出席希望のかたはご連絡ください。

kmatsu@cc.musashi.ac.jp



2012年3月4日日曜日

マサイ族に広がるスマホ 携帯市場を支える中国

日経の記事から
http://s.nikkei.com/xhBXKH
東アフリカのケニア。マラソンやキリマンジャロで有名な国だが、最近、急速に普及しているのが携帯電話だ。普及率はなんと70%にも達する。独特な民族衣装で知られる「マサイ族」もスマートフォン(高機能携帯電話)を使っており、その普及を支えているのが中国からの輸出だ。偽物も多いが、アフリカでの中国企業の躍進がケニアの情報化を支えている。

2011年12月26日月曜日

アフリカ発、“ローテク”でもイノベーションは起こせる ケニアで2桁成長を続けるサファリコム

http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20111221/225532/?P=1



確かにひろがりはすごかったですね。たぶん、世界(米国などでも)で話題になるでしょうが、その意味を理解しないと、単なるトピックで終わってしまいます。重要なことは従来の金融システムで対象としなかった人たちを対象とした仕組みであること、厳密なシステムではなくゆるやかで、やわなシステムです。トラブルが起こるだろうと、簡単に想像できますし、おこっていると思います。それこそ障害ゼロなんて、無関係なサービスが成り立つことが、重要な示唆と思います。小額の送金という前提で成り立っています。それ以上でもそれ以下でもないことで、褒められすぎの評価に冷静に対処したいと思っています。

2011年7月31日日曜日

日経ビジネス2011.8.1 バーニーのCSRのインタビュー記事

興味深いインタビューです。ぜひ、ご参照ください。
もはや、株主価値の最大化だけを追求するのは、十分でないと多くの経営者が認識するようになってきた。利益の追求とCSRを両立する必要がある。CSRの費用は決して多くはないが、そのわずかな投資にレバレッジをきかせて、多くの利益に結びつけることができれば、株主も納得するであろう。そのカギは、CSR活動を実施することで、従業員の創造性を発揮させ、イノベーションを起こせるようになる組織文化を創り出すことにある。

このコメントを別の角度から、興味深く思われる方もおられると思います。今、ポーターがCSRからCSVなど、この分野の主導敵オピニオンになりつつありますが、見方によれば、80年代のポーターのポジショニング理論を批判したのが、このバーニーのリソースベーストビューであり、その理論を一般化したのが、その後、BOPを初期に主導したプレハラッドのコアコンピーテンス論であることは、よく知られていることです。

そして、戦略論からみれば、変節とも思えるほどのポーターのCSRへの入れ込みは、共著者のクラマーのアイディアとはいえ、やや、一貫性のなさを感じたほどです。したがってバーニーがCSRについて何をいうかは、非常に興味のあるところです。彼が、CSRが従業員の意欲増進を媒介にして企業価値の増大とCSRの両立を議論するというのは、まさしく、ポーターの理論の変節に対して、自分のリソースベーストビューの理論的一貫性をCSRにおいても示したことになるわけです。いわば、ポーターに対して一本取ったとも見えます。
そんな興味しんしん、のインタビューです。

2011年4月12日火曜日

研究会(5/12)

BOPビジネスと情報通信技術 「M-PESA研究会」

■日時: 2011年5月12日(木) 17:30~20:00(予定)
■第1回テーマ: 「ケニアの開発事情とM-PESAの役割」
近年、BOPビジネスへの関心が高まっていますが、その中でも情報通信技術(ICT)を活用した、ビジネス・モデルが注目されています。BOP層が、携帯電話を始めとするICT技術を活用することで、生活の向上・変革がどのように可能か、また、課題は何か等を検証することは意義が大きいと思われます。こういう問題意識から、本研究会では、特にケニアから始まった携帯電話を活用した送金サービス・システム、M-PESAを事例として、様々な観点から、その導入の経済的・社会的インパクトを検討していきま。また、M-PESAの事例を考えるうえで参考になる、ICT技術を活用した他のBOPビジネスの事例についても参照していきます。

第1回は、研究会の主査で、経営情報学を専門とする、武蔵大学の松島桂樹教授、及び、ケニア政治の専門家でアジア経済研究所の津田みわ主任研究員から、BOPビジネスとしてのM-PESAに関する基本情報、BOPビジネスを考える背景として、ケニアの政治状況等について、それぞれ報告いただき、参加者と自由な意見交換ができればと考えています。

なお、M-PESAのMは"mobile" 、Pesaはスワヒリ語で"money"を意味します。
(研究会の頻度は現時点では年3回程度の予定、必要に応じて機動的に対応)

■議題と報告者:
  • 17:30-17:45 メンバー自己紹介、本研究会の趣旨説明
  • 17:45-18:15 報告①「BOPビジネスモデルとしての、M-PESA」
松島桂樹氏  武蔵大学 経済学部教授(経営情報学)(質疑応答、約15分)

  • 18:30-19:00 報告②「現代ケニアの政治と社会:BOPビジネスの背景理解のために」
津田みわ氏  アジア経済研究所 地域研究センターアフリカ研究グループ 主任研究員(質疑応答、約15分)
  • 19:15-20:00 全体での意見交換

■会場:
  • 政策研究大学院大学4階 研究会室4A
  • 〒106-8677 東京都港区六本木7-22-1
  • a. 都営大江戸線 六本木駅 徒歩5分
  • b. 東京メトロ日比谷線 六本木駅 徒歩10分
  • c. 東京メトロ千代田線 乃木坂駅 徒歩6分
http://www.grips.ac.jp/forum/newpage2008/contact.htm

■申し込み:
御出席いただける方は、お名前、ご所属先、ご連絡先を明記の上、5月9日(月)までにGRIPS開発フォーラム・飯塚(m-iizuka@grips.ac.jp)までご連絡ください。(車でお越しの際は、本学の駐車場の関係上、車種、ナンバー及びお車の色を事前にご連絡ください)

2011年3月12日土曜日

研究会の目的

テーマ:
情報通信技術の途上国貧困層への開発インパクトに関する実証分析
¨ケニアのM‐Pesaを事例として一
概要:
 ケニアから始まった、携帯電話を活用した送金サービス・システムであるM-Pesa の経済的、社会的インパクトの分析を通して、情報通信技術が貧困の削減にどの程度、寄与するのかを実証的に明らかにする。
 本研究の目的は、BOP (Base of the Pyramid)と呼ばれる貧困層の人々が、携帯電話を始めとする情報通信技術(ICT)を活用することで、生活の変革がどのように可能かを検証することである。電気の通じていない至る場所で使われている携帯電話、電話線が整備されていない村々にも広く存在するインターネット・カフェ。明らかにICT が貧困層の生活に大きなインパクトを与えている。
 本研究においては、具体的には携帯電話を活用した送金サービス・システムであるM-Pesa を主たる研究対象として取り上げ、BOP へのインパクトを分析する。ケニアから始まり、タンザニア、アフガニスタン、南アフリカ、インド、エジプトへと広がりをみせているM-Pesa の経済的、社会的インパクトの分析を通して、ICT が貧困の削減にどの程度、寄与するのかを実証的に明らかにする。
 これまで開発援助機関やNGO によって貧困削減の努力がなされてきたにもかかわらず、いまだに40 億人とも推計される貧困層、いわゆるBOP 層が存在する。この厳しい現実が意味するところは何か?旧来の枠組みでの貧困削減には明らかに限界があり、新たな手法が求められているということであろう。そこで、最近関心を集めているのが、貧困層へのビジネス・アプローチであり、いわゆるBOP ビジネスと呼ばれているものである。1998 年にプラハラッド教授とハート教授によって着想されたBOP という概念は、貧困社会の抱える課題をビジネスによって解決していこうというアイディアを主柱とし、従来には全くなかった斬新な手法として登場した。
 このビジネス・アプローチに、およそ10 年前より、国連を始めとする国際機関、欧米先進国政府、欧米多国籍企業がこぞって着目し、その促進を図ってきた。BOP ビジネスの領域は多岐にわたるものの、中でもICT を活用したビジネスは、貧困層の生活改善に大きなインパクトを与える可能性を秘めている。この観点から日本が果たすべき役割、日本企業の取り組みのあり方を探求するという本研究のもつ今日的意義は極めて大きいといえる。